生の音楽は早産児を癒す

BBC News(英国放送協会ニュース)
2004/9/3

音楽の生演奏は新生児室で看護を受けている早産児を慰めるのに役立つことが、研究によって明らかになりました。
リーズで開かれた英国心理学会で、録音された音楽より生演奏のほうがより効果的であるという、イスラエルの研究が発表されました。女性の声とハープの曲を生で聞いたあとでは、赤ちゃんはより深く眠り、心拍数が減少しました。赤ちゃんのためには、新生児室で、お母さんが歌う子守唄のような生の音楽を聞かせるべきだと研究者たちは言っています。

新生児集中治療室では、音楽が演奏されるべきです

(シュメル・アーロン博士)

イスラエルのクファルサバにあるメイア病院の研究チームは、15人の早産児を対象に、30分間の、音楽なし/録音された音楽/生演奏という3つの場合の効果を比較しました。その30分のあいだ、ずっと赤ちゃんをモニターした結果、生の音楽を聴いたあとでは目立ってより深く眠り、心拍数が減少したことがわかりました。

生の音楽は有用である

この研究を率いたシュメル・アーノン博士は、BBCインターネット・ニュースで次のように語りました。「生の音楽は音色や、響き、そして赤ちゃんに影響を与えるほかの要素において、録音された音楽とは異なっていると言えるでしょう」

「私は、新生児集中治療室で音楽が演奏されるべきであると考えます。一日に30分程度の生音楽が、新生児に有益だと思われます」。

アーロン博士は、乳幼児モニター装置の機械音がうるさいことが多い環境では、お母さんたちが赤ちゃんに子守唄を歌うことも薦めています。

「これは特に早産児に効果があります。赤ちゃんの心拍数が下がり、よりよく眠れば、そうでない赤ちゃんより早く家に帰れるだろうということが他の研究でもわかっています」と、博士は付け加えました。

博士の研究チームでは、音楽を演奏する際の適切な音量についても調べました。お母さんの歌う子守唄は約50デシベル、ふつうの話声は30デシベル位として、その研究における音楽は55〜75デシベルの間で演奏されました。

このチームは現在、より大きいグループの赤ちゃんを対象にし、異なるタイプの音楽を比較するために、さらに進んだ研究を計画しています。

(YO 訳)

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