がん患者のためのハープ・セラピー
…ハープの響きによって痛みが和らぐことが研究で明らかになり、カーディフでは今後、化学療法を受けるがん患者にハープ・セラピーを施すことになるだろう
BBC News(英国放送協会ニュース)
2006/1/5
ハーピストのベサン・ヒューズさんは、治療を受けている人々に音楽を演奏するための職員として、ヴェリンダーがんセンターに勤務しています。これはハープの音楽を聴くと心拍数が減るというアメリカの研究に基づくものです。
病棟での初めてのハープ・セラピーが水曜日に行われ、患者の中で希望する人たちにセッションをしました。
ヒューズさんはハープ・セラピストとしての訓練を受け、アメリカの病院やホスピスで働いた経験があります。また現在は、外傷性ストレスで苦しんでいる帰還兵を癒すためにも働いています。
「私は学位をとってから、アメリカでハープ・セラピーに特化された訓練を受けました」と彼女は言っています。
「これは、ハーピストなら誰でもできるというわけではなく、そのための研修を受けなければなりません」
「私はアメリカのがん専門病院やホスピスでも仕事をしてきましたので、アメリカではどれほどハープ・セラピーの研究が進んでいるか、知っています。私が学んできたことを、ここウエールズで活かせることができればうれしいです」
「国際的な演奏家として古典的な方法で訓練を受け、それに慣れてしまっていましたが、ハープ・セラピーの場合は、実に多くの領域にわたる訓練が必要です。振動について、共鳴音について、また、ハープの弦の振動が与える医学的・身体的側面についても学びます」
「ハープ・セラピーに効果があることは間違いありません。私は、イギリス人やアメリカ人の前線で活躍する兵士たちに実際にハープ・セラピーを用いていますが、彼らはストレスや外傷性トラウマのレベルが低くなるのを実感しています」
ヴェリンダー病院のスタッフは、ハープの音色が患者たちに明らかな効果を与えることに希望を持っています。音楽に対する患者の反応や、ハープ音楽によるストレスの減少を、治療前と治療後の両方の時点でモニターする調査が、ハープ・セラピー・プログラムの一環として実施されます。
バーバラ・ウイルソン看護師長は、「ハープ・セラピーが患者をリラックスさせるのに有用であることを示すデータは、どんどん増えてきていると思います」と言っています。「特にアメリカでは、ハープの音楽が確かに血圧を下げ、体内の酸素を増やすことを証明する記録が増え続けています」
「患者たちが治療を受けている間ハープ・セラピーを受けることは、体をリラックスさせるのに役立っているのです」と、ウィルソン看護師長はつけ加えました。
(YO 訳)